AIと一緒に「プログラムの中身」を調べてみよう
著:AppWizz
こんにちは。この教本では「REA(レア)」というツールの使い方を、なるべくやさしい言葉で説明していきます。
パソコンにちょっと詳しい人も、「ターミナルって聞いたことはあるけど…」という人も大丈夫。順番に読んで、手を動かしてもらえれば最後には自分で使えるようになっています。肩の力を抜いていきましょう。
ひとことで言うと、REAはAIがプログラムの中身を調べるときに使う「道具箱」です。
最近は、Cursor や Claude Code、Codex のように、コードを読んだり書いたりしてくれるAIがあります。こういうAIを「コーディングエージェント」と呼びます。REAはこのエージェントにつないで使います。
たとえ話をしてみますね。わからない問題があって、頭のいい家庭教師に質問したとします。いい先生なら「たぶんこうだよ」で終わらせず、教科書を開いて「ほら、ここの何ページに書いてあるでしょ」と指さしてくれますよね。
REAがやるのはまさにそれです。アプリやゲーム、Webサイトといったプログラムを「教科書」だとすると、AIがその教科書を開いて、答えが書いてあるページ(どのファイルの何行目か)を見せてくれる。だからAIの答えに根拠(証拠)がつくんです。
それから、分析はあなたのパソコンの中(ローカル)で動きます。
「なぜそう言えるのか」の証拠のこと。REAの場合は、実際のコードや「〇〇ファイルの△行目」といった参照のことです。
インターネットの向こうではなく、自分のパソコンの中で処理する、という意味です。
REAは何でも開けられる魔法のカギではありません。それに、他の人が作ったソフトを自由に使っていい「権利」をくれるものでもないんです。ここはしっかり覚えておいてください。
道具は、得意なことと苦手なことを知っておくとぐっと使いやすくなります。
3つ目、けっこう大事です。REAはあくまで調べものの相棒なので、出てきた答えを自分でも読んで「なるほど」と思えるところまで行くと、本当の力になりますよ。
▲ 目次へ怖い話をしたいわけじゃないんです。図書館の本を借りるときにルールがあるのと同じで、気持ちよく使うための約束だと思ってください。
迷ったら「これ、作った人に見せても胸を張れるかな?」と自分に聞いてみてください。それで答えが出ることがほとんどです。
結果に自信がなさそうなところがあったら、それは「答え」じゃなくて「手がかり」として受け取りましょう。最後は自分で確かめる。これが調べものの基本です。
そろえるものは4つだけです。
| 準備するもの | ひとこと説明 |
|---|---|
| パソコン | 調べたいファイルが入っているパソコンを使います。 |
| Node.js | バージョン 22(22.23.4以上)、24(24.22.1以上)、26(26.12.1以上)のどれか。npm は Node.js に一緒についてきます。 |
| コーディングエージェント | Cursor、Codex、Claude Code など、コードを扱えるAI。 |
| ターミナルの基本 | コマンドを打ち込んで実行できればOKです。 |
文字を打ち込んでパソコンに命令するための画面です。マウスで操作する代わりに、キーボードで指示を出すイメージですね。
Node.js は JavaScript というプログラムをパソコン上で動かすための土台です。npm はその仲間で、ツールをダウンロードしたり動かしたりする係だと思ってください。
ここからは実際に手を動かしていきます。公式サイトの手順に沿って進めるので、安心してついてきてください。
まずはターミナルを開きましょう。開き方はOSによって少し違います。
⌘ + Space を押して「ターミナル」と入力して EnterCtrl + Alt + T開けたら、Node.js が入っているか確認します。次の2行を打ってみてください。
node -v
npm -vnode -v の結果が v22.23.4以上、v24.22.1以上、v26.12.1以上のどれかなら準備OKです。古いバージョンが出たり、「認識されません」「command not found」と言われたりしたら、Node.js 24 LTS を入れましょう。
Windows なら PowerShell でこれを実行します。
winget install --exact --id OpenJS.NodeJS.LTS途中で同意を求められたら「Y」と入力。終わったら PowerShell をいったん閉じて開き直し、もう一度 node -v で確かめてください。macOS の人は公式サイトから Node.js 24 LTS のインストーラーを入れるのがわかりやすいです(Linux の手順も公式ページに載っています)。
あとで npx を実行したときに「このシステムではスクリプトの実行が無効になっています」と出ることがあります。そのときは npx の代わりに npx.cmd と打てば大丈夫です(npm も同じで npm.cmd)。
npx.cmd rea-agents@latest setup最後に、練習用のフォルダーを作ってその中に移動しておきます。
mkdir rea-work
cd rea-workこのターミナルは次でも使うので、開いたままにしておいてくださいね。
mkdir はフォルダーを作るコマンド、cd はそのフォルダーの中に入るコマンドです。
エージェントは、あなたが実際に話しかけるAIのことです。REAはそのAIに「調べるための道具」を渡す役なんですね。代表的なものを挙げておきます。
| エージェント | どんな感じ? |
|---|---|
| Cursor | エディター(コードを書くアプリ)の中のAIチャット。Agentモードで使います。 |
| Codex | ターミナルで動くAI。ChatGPTのアカウントでログインします。 |
| Claude Code | ターミナルで動くAI。Claudeのアカウントが必要です。 |
| そのほか | Windsurf、VS Code(GitHub Copilot)、Gemini CLI、OpenCode なども対応しています。 |
インストールやログインのやり方はエージェントごとに違うので、公式のはじめにページで自分が選んだものの説明を見てください。
やり方は2通りあります。好きなほうでどうぞ。
やり方A:エージェントにお願いする。次の文章をそのままエージェントのチャットに貼り付けます。
npx rea-agents@latest setup を使って REA をインストールし、このコーディングエージェントに接続してください。まず変更内容を提示し、私が承認してから実行してください。その後、インストールを確認してください。やり方B:自分でターミナルに打つ。
npx rea-agents@latest setupつなぐ相手が決まっているなら、--client をつけて指定できます。Cursor ならこうです。
npx rea-agents@latest setup --client cursorCodex なら codex、Claude Code なら claude_code を入れます。ほかの名前は公式ページの一覧で確認してください。
実行すると、まず「こう変更しますよ」という計画(プラン)が表示されます。中身を見て、よければ承認しましょう。パッケージのダウンロードを聞かれたら y を押して Enter。クライアントの一覧では、矢印キーで動いて、Space で選んで、Enter で次に進みます。
MCP は、エージェントがREAを呼び出すための「接続口」です。スキルは、ソフトを調べるときの手順をエージェントに教える「説明書」のようなものです。
セットアップが終わったら、エージェントを完全に終了してから開き直してください。ウィンドウを閉じただけでは足りません。macOS なら ⌘ + Q。Windows でトレイにアイコンが残っていたら、そこからも終了します。ターミナル型のエージェントなら、セッションを終わらせてもう一度起動すればOKです。
再起動したら、ちゃんとつながったか健康診断(doctor)をしてみましょう。
npx -y rea-agents@latest doctor --client cursor --jsoncursor の部分は自分のエージェントの名前に変えてください。"healthy": true と出ていれば合格です。仕上げに、エージェントにこう聞いてみてください。
REAが接続されているか確認し、使えるREAツールを教えてください。つながったら、公式のサンプルで練習してみましょう。次の章でくわしく説明します。
▲ 目次へ練習に使うのは、公式が用意してくれている小さなメモアプリです。6つのファイルでできた Electron アプリで、「Export notes(メモを書き出す)」というボタンがついています。アプリを起動しなくても、コードを読むだけで調べられますよ。
Webの技術(JavaScript など)でパソコン用アプリを作るためのしくみです。
サンプルはここからダウンロードできます:
https://rea.tools/examples/notes-example.zip
エージェントにダウンロードと展開(zipの解凍)まで頼んでもいいですし、自分で解凍してもかまいません。エージェントへの頼み方はこんな感じです。
https://rea.tools/examples/notes-example.zip を新しいサンプル用フォルダーにダウンロードして展開してください。REAを使い、Export notes を押すと何が起きるかを調べてください。notes.csv がどこに保存され、どんな列があるか、関連するファイルと行を示してください。うまくいくと、だいたいこんな答えが返ってきます(言い方は毎回少し違います)。
ボタンはnotes:exportというメッセージを送ります。それを受け取ったメインプロセスがメモを CSV 形式にして、ユーザーのダウンロードフォルダーにnotes.csvを保存します。列はidとtitleです。
ここで見てほしいのは、答えに「どのファイルの何行目か」がちゃんとついているかどうかです。ついていたら、実際にそのファイルを開いて確かめてみてください。「本当に書いてある!」という体験が、いちばんの勉強になります。
Windows はエクスプローラーでフォルダーを右クリックして「パスとしてコピー」(Windows 10 は Shift を押しながら右クリック)。macOS は Finder で右クリックして、Option キーを押しながら「パス名をコピー」。どのOSでも、フォルダーをターミナルにドラッグするとパスが表示されます。
AIへの頼み方しだいで、答えの質はけっこう変わります。先生に質問するときと同じで、聞き方がうまいと答えもわかりやすくなるんです。ポイントは4つ。
/Users/あなた/rea-work/notes-example」のように書きましょう。パソコンの中の「住所」を、いちばん上から省略せずに全部書いたものです。
REAはエージェント経由だけでなく、ターミナルから直接動かすこともできます。たとえば JavaScript や Electron のアプリのフォルダー(または .asar ファイル)を、アプリを起動せずに分析するならこうです。
npx -y rea-agents@latest analyze-javascript-application "/absolute/path/to/app" --json/absolute/path/to/app のところを、調べたいアプリのフルパスに書きかえてください。結果には、アプリの情報やモジュール同士のつながり、ソースの場所が出てきます。REAが解決しきれなかったつながりには、ちゃんと印がついています。
毎回 npx と打つのが面倒なら、rea コマンドとしてパソコンに入れておくこともできます。
npm install --global rea-agents
rea --help
rea updaterea --help で使い方の一覧が見られて、rea update で新しい版に更新できます。
REAはいろいろな種類のソフトに対応しています。ここでは全体像だけつかんでおきましょう。
| 種類 | ひとこと | おすすめ度 |
|---|---|---|
| JavaScript / Electron アプリ | Node.js と npm があれば始められます。この教本の練習もこれです。 | ◎ 最初はここから |
| ネイティブのプログラム | Hopper、Ghidra、IDA といった別の分析ツールが必要になります。 | 応用 |
| ブラウザー・実行中のもの | Webサイトなどを調べるタイプ。Chrome などのブラウザーを使います。 | 応用 |
ネイティブやブラウザー向けの使い方は準備が少し大変なので、この教本では扱いません。興味がわいたら、公式サイトにある専用のガイドを読んでみてください。そのときも、「使う前の約束ごと」で話したルールはずっと有効です。
うまくいかなくても大丈夫。よくあるつまずきと、その直し方をまとめておきます。
| こんなとき | やってみること |
|---|---|
| エージェントにREAが出てこない | セットアップのあと、エージェントを完全に終了して開き直しましたか? エディター型なら、MCPの設定でREAが有効になっているか、チャットでツールの使用を許可しているかも見てみてください。 |
| つながっているか不安 | doctor で診断します:npx -y rea-agents@latest doctor --client cursor --json( cursor は自分のエージェント名に) |
| Windows と WSL がごちゃごちゃ | エージェントと REA は同じ環境に入れます。Windows のアプリなら PowerShell で、WSL の中で動くエージェントなら WSL の中に Node.js と REA を入れて、Linux のパスを使います。 |
| パスにスペースがある | "/Users/me/My Apps/app" みたいに、パスを "(ダブルクォート)で囲みます。 |
| 新しい版にしたい | セットアップをもう一度実行して、計画を確認したらエージェントを再起動します:npx rea-agents@latest setup |
| REAを外したい | npx rea-agents@latest uninstall |
Windows の中で Linux を動かすしくみです。Windows 側と Linux 側は、同じパソコンの中にある「別の部屋」だと思ってください。
そのまま貼って使える文章を置いておきます。右上の「コピー」ボタンが使えないときは、選択してコピーしてください。
npx rea-agents@latest setup を使って REA をインストールし、このコーディングエージェントに接続してください。まず変更内容を提示し、私が承認してから実行してください。その後、インストールを確認してください。https://rea.tools/examples/notes-example.zip を新しいサンプル用フォルダーにダウンロードして展開してください。REAを使い、Export notes を押すと何が起きるかを調べてください。notes.csv がどこに保存され、どんな列があるか、関連するファイルと行を示してください。REAで「[調べたいアプリのフルパス]」にあるアプリを調べてください。
知りたいのは「[1つの機能。例:保存ボタンを押したときの動き]」です。
関連するファイルと行を示しながら説明してください。
答えは「コードで確認できた事実」「推測」「わからないこと」に分けて書いてください。
※これは自分が調べる許可を持っているアプリです。もっと知りたくなったら、公式サイトをのぞいてみてください。
ツールはどんどん更新されるので、コマンドの書き方や対応バージョンが変わることもあります。この教本と画面の表示が違ったり、「あれ?」と思ったりしたときは、公式サイトの情報を優先してくださいね。
ここまで読んでくれてありがとう。まずはサンプルで「ファイルの何行目に答えがあった!」を体験してみてください。それができたら、もう立派なREAユーザーです。